2024/11/09 15:21

イギリス ベイカー社製
ロシアンカーフレザー
オーダーストラップ価格 ¥35,200(税込)~ 要お見積り

ロシアンカーフを用いた、スペシャルオーダーストラップの受注を開始いたしました。

ロシアンカーフは、今日では『幻の革』と呼ばれるほど希少なレザーとなっています。
原料となる、豊かな白樺の森をもつロシアでのみ製造可能であったロシアンカーフ。
18世紀の帝政ロシア時代から重要な貿易品としてヨーロッパへ輸出されていましたが、ロシア革命の前後に製造法が失われ、目にするのも難しい伝説の高級レザーと言われました。

今回オーダー可能となったのは、幻のロシアンカーフを、イギリスの老舗タンナーであるベイカー社が可能な限り忠実に再現したレザーです。
カラーは、オリジナルのロシアンカーフと同様のブラウンをご用意いたしました。

〈価格〉¥38,500(税込)
内訳
・ロシアンカーフ ¥35,200(税込)
・オプション 裏材ツェルマット ¥1,100(税込)
・オプション アビエ加工 ¥2,200(税込)

今回の仕様は、シンプルに同色ステッチで仕上げ、裏材は耐水性と質感に優れるツェルマットカーフレザーを採用しています。
アビエ(イージークリックバネ棒)も搭載し、付け替えも容易です。

ロシアンカーフは、白樺が原料となるバーチオイルを使用し製造されることが特徴です。
バーチオイルで製造することで、しなやかでありながら耐久性に優れた革が完成し、バーチオイル由来のスモーキーな芳香ももちます。
そのため、帝政ロシア時代のオリジナルのロシアンカーフは、ヨーロッパ諸国への高級輸出品として珍重されました。

また、水や湿気にも強く、これにまつわるロシアンカーフを世界的に有名にした話があります。
1973年、イギリス西端に位置するコーンウォール州のプリマス湾にて、一隻の帆船が引き揚げられました。それは1786年12月、荒天のために沈没した『メッタ・カタリーナ号』でした。
メッタ・カタリーナ号の船内からは輸送途中であった大量のロシアンカーフが発見され、驚くべきことに200年間海中に晒されていたにもかかわらず、塩抜きと乾燥処理を行うと再び使用に耐えうるレザーとして蘇り、その品質の高さを証明しました。

200年前の沈没船から引き揚げられたロシアンカーフは英国王室にも献上され、幻の革としてレザー愛好家達の羨望の的になりました。
このエピソードがよりいっそう、ロシアンカーフという革へのロマンを生み、魅力的なものにしています。

納品されたロシアンカーフの表面には、製造過程で付着する「ブルーム」と呼ばれる白いロウ成分が浮かび上がっています。
このブルームは、柔らかいブラシを用いて、靴磨きの要領でブラッシングを行うと除去できます。

ブラッシングによりロシアンカーフの大きな特徴である、独特な菱形模様が現れます。
このダイヤ状の型押しは、オリジナルの「クロスハッチ模様」を忠実に再現しています。

フランス有名メゾンからの依頼を受けたことで、イギリスの老舗タンナー「ベイカー社」は幻のロシアンカーフレザーの復刻に取り組みました。
わずかに残された断片的な文献や資料を調査し、現存するロシアンカーフを分析し徹底的に研究することで、ベイカー社はその製造法、なめし方やバーチオイルの使用方法について、表面のクロスハッチ模様の型押し方法などを導き出し、限りなく忠実に再現することに成功しました。
その再現度で高い評価を受けている、ベイカー社のロシアンカーフでご自分だけのストラップをお作りいただけます。

今回、裏材にはフランスのデギャーマン社製、ツェルマットカーフをセレクトしました。
ツェルマットは、耐水性・耐アレルギー性能をコーティングではなく、製造段階中に付加したカーフです。
汗に強く実用的で、コーティングではないため肌触りもよく、色味もロシアンカーフのブラウンとよく合います。
お好みで裏側にステッチが出ないよう、縫製後に裏材を貼り付ける「隠し糸仕上げ」も選択いただけます(オプション)。

ロマンが詰まったロシアンカーフを、お気に入りの時計でぜひお楽しみください。

店主 座間